90度の線を引いたりしたいんだけど、スコヤとかさしがねって何が違うの?
どちらも直角・垂直・90度を確認したり線を引いたりするものだけど、用途によって使いやすさが変わってきます。この記事ではその内容について解説していきます。
この記事はこんな方におすすめ
- スコヤとさしがねの違いを知りたい
- 正確な90度の線を引きたい
- 2つの木材を垂直に接着したい
この記事の内容
- スコヤとは?
- さしがねとは?
- スコヤとさしがねの使い分け
順に解説していきます。
Table of Contents
スコヤとは
スコヤは直角を図るための工具の一種でです。正確な直角を出すために使います。
スコヤの特徴を以下の通りまとめました。
スコヤの特徴
✔ 15cm~18cmくらいの大きさで小ぶり
✔ 外側・内側に目盛りが付いている
✔ 裏表に目盛りが付いている
✔ 目盛りのない台座部分が少し分厚くなっている
✔ 分厚い凹凸部分を木材などに沿わせると正確な直角を出すことができる
✔ 本体を立てて使うことができる
中でも私が便利だと感じるのは、上の写真でもわかるように、木材に台座部分を当てた時に内側の目盛りがきちんと0から始まっている点です。
さしがねでもスコヤでもこの内側の目盛りや表記がないと結構使いにくいので、内側目盛り付きのものを買うようにしましょう。(さしがねは外側しか表記のないものが多い印象)
あとは台座部分に厚みがありしっかりしているので非常にブレにくいです。さしがねより精度は高いでしょう。
スコヤの種類
スコヤにもいくつか種類がありますので、代表的なものを紹介していきます。
完全スコヤ
L字型のものを完全スコヤと呼ぶことが多いです。スコヤというと一般的にこれを指しますね。
直角(90度)の墨線を引くことに特化していて、接着した材の直角を確認することにもよく使います。
一番の特徴は上記でも触れましたが、台座部分にしっかりと厚みがあるので抑えていてブレにくいですし、変形もしにくいです。
下図のように厚みのある台座部分を木材に沿わせることで直角を出すことができます。
この安定感こそが、さしがねとの大きな違いです。とにかく押さえやすい。
そして、接着や接合する材にあてがうことで直角を目視確認することもできます。立てて使うことができるのは便利ですね。
さしがねだと立てることができませんよね。
最後に唯一の欠点として、あまり大きなサイズがないので、板材などに墨線を引くときには長さが足りないという点でしょうか。
【完全スコヤ】
止型スコヤ
止型スコヤというものもあります。
これは3辺が45度、135度、90度になっているスコヤのことで、主な用途は45度の墨線を引くことです。
完全スコヤと同様に材に沿わせることで、ブレずに安定した45度の線を引くことができます。
90度も引けますが、目盛りがあってないので、この点は完全スコヤの方が使いやすいです。
また、2つの材を接着するために、立てて使う場合は完全スコヤよりも台座が分厚く作られているので、安定感が増します。(シンワ製の場合)
厚みの比較(左:完全スコヤ 右:止型スコヤ)
え!?
45度って使うの?
DIYをしていると45度が欲しい場面が多々出てきます。
例えば「留め継ぎ」という技法を使う場合などには必要になります。フォトフレームなどによく使われています。
【止型スコヤ】
その他
他にも角度を測定する目的で使用する自由スコヤ、分度器が付いていて角度を測定できるプロトラクターなどがあります。
上記で紹介したスコヤよりは出番が少ないでしょう。DIYというよりはプロ向けのツールですね。
さしがねとは?
さしがね(指矩)はスコヤと同様に直角を測定する道具です。
さしがねの特徴を以下の通りまとめました。
さしがねの特徴
✔ 様々な大きさのバリエーションがある
✔ 外側・内側に目盛りが付いている(ものもある)
✔ 裏表に目盛りが付いている(ものもある)
✔ 厚みは均一
✔ 目測で使用用途が無限大
✔スコヤよりブレやすい
さしがねの使い方
さしがねには様々な使い方がありますので紹介していきます。
直角の墨付けと確認
さしがねの妻手(短い方)を引っ掛けることで長手(長い方)で墨線を引くことができます。
しかし慣れるまで押さえるのが難しく、結構ブレてしまうんですよね。その結果、線が長くなればなるほどずれが大きくなっていきます。
この点の正確さはスコヤに及ばないところです。(私が下手なだけかもしれませんが)
しかし、スコヤは総じて短いので、さしがねは長い線が引けるという利点もあります。
また角に当てることで直角になっているか確認することができます。
さしがねはシンプルな見た目ですが、使い方次第で非常に多くのことができます。
その一部について紹介していきます。
等分割
木材を均等に切りたい場合に図って計算しなくても、均等に墨線を引くことができます。
3等分したい場合は3で割り切れる数値(60,12,180など)に合わせてマーキングしてから墨線を引けば簡単です。
4等分の場合も同様に4で割り切れる数字(40,80,12,160など)に合わせれば可能です。
木材の長さは端材の場合、ぴったりじゃない場合が多いです。全長を図ってから計算するよりもスピーディーに等分割できそうですよね。
角度を測る
45°の角度で墨線を引きたい場合は、さしがねの両辺を同じ目盛りに合わせると2等辺三角形になるので、両辺は45度になります。
写真では両辺150㎜に合わせています。
止型スコヤがなくても45°の墨線を引くことができますね。
30°や60°の角度で墨線を引きたい場合は、さしがねの両辺の長さを2:1の比にすると30°や60°の角度を得ることができます。
写真では100㎜と200㎜に合わせています。分度器がなくても任意の角度を得ることができますね。
オススメのさしがね
さしがねは各メーカーから多くの種類が販売されていますが、購入する時のポイントは以下の通りです。
さしがねを選ぶ時のポイント
✔ 内側にも目盛り・表記がある
✔ 裏表に目盛り表記がある
✔ 500㎜以上
私は短いさしがねを初めに買ってしまって不便な思いをしたので、長いものを購入することをオススメします。
まとめ ~あなたにオススメなのはスコヤorさしがね?~
それぞれの特徴について紹介してきましたが、いずれも使用頻度が高いものですので、私はすべて持っています。
「広く浅くいろんなことをしたい」という場合は「さしがね」一つで直角、長い墨線を引く、任意の角度で線を引くことができます。
「正確な直角を引きたい」という場合や自作の治具を作る場合は精度の高い「完全スコヤ」
「正確な45度が出したい、留め継ぎがしたい」という場合は「止型スコヤ」
をオススメします!
いずれもDIYを続けていく場合に必須となる工具です。
スコヤやさしがねを買うときにチェックして欲しいのは以下の点です。
・ 裏表の表記がある
・ 内側にも目盛り表記がある
・さしがね買うなら長め(500㎜くらいがいいかも)
木材を正確に測る、正確に墨線を引く、加工精度を確認する。
これらはDIYと切っては離せない作業です。これらをひとつひとつ確実に行っていくことで、思い通りのDIYに近づくことができます。
まだ使っていない方は、これらを使用して高精度なDIYを目指していきましょう!
【完全スコヤ】
【止型スコヤ】
【さしがね】