この記事では自宅の庭にサイクルポートをdiyする模様を紹介していきます。以下の方におすすめです。
・自転車の置き場所に困っている
・庭にスペースがある
3部構成の記事うちの3つ目の記事です。今回は「仕上げ編」、棟上げまで終わったサイクルポートをより機能的にカッコよく仕上げていきます。
まだ他の記事を読んでない方は、以下の「基礎編」「構造体・棟上げ編」を読んでからこの記事を読んでくださいね。
目次
ここまでのおさらい
完成イメージは以下の図の通りです。しっかりと柱を立てて、壁面も格子状に囲っていきます。
ちなみに図面はcaDIY3D-XというCADソフトで描いています。DIY向けでCADを使ったことのない人でも直感的に3D図面を描くことができる優れものです。
そして、以下の写真が「②構造体・棟上げ編」までのサイクルポートです。骨組みができるとずいぶん完成が近づいたように感じますね。
しかし、まだやることはたくさんあります。この記事では細かな仕上げ部分について紹介していきます。
サイクルポートdiy(仕上げ編)に必要な材料
【使用した材料】
・M10ボルト・ナット8本
・羽子板ボルト(Z金具)×8本
・セメント
・砂利
・砂
・L字金具(アングル鋼材でも可)
・ビス各種
・カスガイ
・トタン端材
・トタン投物
・塗料(ウォルナット油性)
・塗料(スプレーブラック)
・真鍮釘
・塩ビ配管
・シリコンシーラント
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サイクルポートdiy(仕上げ編)に必要な工具
【使用した工具】
・ハンマー
・インパクトドライバー
・卓上丸鋸
・カンナ
・ラジオペンチ
・左官コテ
・モンキーレンチ
・サンダー
・コンベックス
・コーキングガン
・金切りハサミ
仕上げ工程になると手工具が増えてきますね。工具は使用する際に紹介していきます。
サイクルポートdiyの仕上げ工程
仕上げ工程では以下の内容について解説していきます。
・桁木口保護用のトタン加工
・垂木保護用トタン投物の取り付け
・間柱の取り付け
・間柱の基礎施工
・基礎の仕上げ
・屋根材、柱の補強
・壁板の加工
・壁板の塗装
・壁板の取り付け
・仕上げ塗装
こうやって見ると細かい作業って結構あるんだね。
桁木口保護用のトタン加工
え~と、桁木口ってどこ?
図のように横向きの柱材を切った断面のことです。断面むき出しだと劣化しやすいので、ここを保護します。
90㎜×90㎜の木材断面にピッタリ合うようにトタンを切って加工します。なんでもいいのでトタン平板を用意してください。私は実家に転がっていた大昔の衣装ケースを切り取って加工しました。(そんなの普通はないか…)
寸法は図の通りに作ってもいいですが、90㎜の寸法以外は多少違っても問題ありません。
おおよその形を切り出したら、実際に90角の木材に当てがって曲げます。
切り込みを入れる部分に墨付け、そして切ります。
そして再び曲げて、ハンマーで叩きながらピッタリのサイズに整形していきます。
これを全部で6個作ります。取り付けてから塗装するパターンと塗装してから取り付けるパターン両方試しましたが、取り付けてから塗装した方が綺麗に仕上がりました。
実際に桁の木口にはめます。以下の手順で上下左右に真鍮口を打ちます。
ハンマーで叩いて整形→ ポンチでマーキング → 真鍮釘をラジオペンチで掴んでハンマーで打ち込む
注意
指で真鍮釘を持たない方がいいです。短いので指を叩いてしまいます。
全部打つとこんな感じです。
隙間が気になる部分にはコーキングを施します。
シリコンを塗布したら、プラスチックのヘラ等で整えます。
3つとも取り付けましたが、ピンクの違和感が凄いですね。後で塗装しましょう。
垂木の保護用トタン投物取付
トタン投物という部品を垂木に取り付けます。
垂木とは屋根の縦向きの木材のことをいいます。今回は両端の垂木が対象です。
ここにトタン投物を取り付けますが、市販品の長さは1800㎜なのに対し、垂木が1981㎜あるため1本では足りません。左右の分を合わせて3本購入し、重ねて使用します。
取り付ける前に必要な寸法に切り出し、スプレーで塗装します。
金切りハサミで切断 スプレーで塗装
塗装が終わりました。
ちなみに使ったスプレーは車の板金に使った塗料の余りでした。車のボディー用ならば耐久性も安心ですね。桁木口用のトタンにも塗装しました。
それでは実際に取り付けていきます。ポリカ波板を少し捲りあげておいて桁まで届くようにビス留めします。ポンチで穴を開けておくとスムーズですよ。
桁の部分6か所とトタン投物の重ね合わせ部分を留めます。
最後に、捲りあげたポリカ波板の端を傘釘で打つのを忘れないようにしてください。
間柱の取り付け
柱と柱の間に45×90の間柱を取り付けていきます。ど真ん中に間柱を固定できる位置にL字金具を取り付けます
次は間柱を固定します。
この時点では間柱の上部分しか留まっていないので不安定です。そのため、下部に適当な板を仮止めしてそこに間柱を留めます。
同じ要領で8か所の間柱をとりつけていきます。
間柱の基礎施工
塩ビ配管(100㎜)をカットします
・20㎜×2個
・15㎜×1個
・8㎜×3個
ここでも卓上丸鋸が活躍します。
・間柱の下の砂利部分を少し掘って塩ビ配管を配置(8か所)して羽子板ボルト(Z金具)を取り付け
塩ビ配管を埋めて羽子板ボルトがある程度埋まる高さに調整します。
・コンクリートを流しこむ
基礎仕上げ
柱の基礎部分の仕上げを行います。現在地中に埋まっているアングルにボルト留めしてある状態ですので、柱自体は地面に接していません。
地面~柱の間をモルタルで埋めます。モルタルを作る際のポイントですが、モルタルが流れていかないように水を少な目で配合します。
下図のように木材の端材を2~3面に当てて、モルタルを擦り付けていきます。
ある程度盛り終えた後は4面を木材で固定してしばらく置きます。
固まってくるとモルタルの重みで全体が下がってきて、上部に隙間ができます。
※写真は違う柱です。
この隙間にミッチャクロン(プライマー)を塗って、再度モルタルを塗布します。
一度固まった部分と追加部分を接着することでひび割れなどのリスクを軽減できます。
見た目はお世辞にも綺麗とは言えませんが、ちゃんと中身が詰まった柱となりました。この辺りはもう少し慣れと練習が必要ですね。
屋根材、梁等の補強
屋根と桁、柱と梁の連結部分などの補強をするために以下の補強を行いました。
屋根と桁の補強 ・・・L字金具の取り付け
柱と桁、梁の補強 ・・・カスガイの取り付け
屋根と桁の補強
屋根と桁を金物で留めようと思い、「ひねり金物」というものを取り付けようとしたのですが、一番短いものを選んでも穴の位置が合わなかったので、自分で作りました。下図の赤丸全12か所に取り付けます。
ちなみにひねり金物というのはこんなやつ。垂木が細かったので少し寸法が合いませんでした。
廃材の金物を金切りハサミで切断してL字に曲げます。
ちょうどいい金物がない場合はトタン板でも作れます。
適当な長さにカット → ビス用の穴を開ける
適当な長さにカット ビス用の穴を開ける
実際に取付けたものはこちらです。取付後はハンマーで叩くとピッタリと見た目も整います。
柱と桁・梁の補強(カスガイ取り付け)
柱と桁、柱と梁はオメガプレートで繋がっているだけなので、まだまだ補強の余地があります。
そこで使うのは「カスガイ」2つの木材などを連接する場合に取り付けます
これを上下交互に打っていくと、このように入り込みます。これを他の柱にも取り付けていきます。
壁板の加工
今回購入した木材は檜の野地板です。
これがコスパ最強で、12mm×110mm×2000mm×17枚で1300円くらいでした。(東海地方のコメリにて)野地板ですので表面はザラザラしていて、加工の必要があります。
下記手順で仕上げていきましょう。
必要サイズにカット → 鉋(かんな)で面取り → サンダーで表面仕上げ
必要なサイズにカット
上から下まで14枚貼り付けます。背面は基礎ブロックで見えない部分のため11枚
以下の寸法にカットします。
・前面 1050mm ×14枚
・側面 1934mm ×28枚
・背面 1870mm+940㎜ ×11枚
鉋(カンナ)で面取り
木材の角を鉋で面取りしていきます。とにかく枚数が多いので後半の作業ではこれが一番大変でした。丁寧に仕上げたい方はトリマーを使うといいですね。
なかなかボリュームのある作業ですが、怪我をしないように注意してくださいね。
サンダーで表面仕上げ
次はサンダーで表面の仕上げになりますが、こちらも枚数が多いので結構たいへんです。完成が近いのでもうひと踏ん張りですね。
ひょえー。これも大変だけど、あと少し頑張ろう!
壁板の塗装
次は塗装です。塗装面積はおおよそ計算すると20㎡です。塗料購入の目安にしてください。
塗料には油性のステイン剤を使用しました。ウッドフェンスも同じウォルナットの油性ステインを使っているので同じです。後々のメンテナンスを考えると手間が省けますからね。
油性塗料なので、うすめて使う場合はペイントうすめ液と一緒に使ってください。
同じ塗料を使って2トーンカラーに塗っていきます。うすめ液の割合を変えたり、何度か塗り重ねることで2色にしました。
壁板の取り付け
塗装が終わったら壁板を取り付けていきます。一番下の木材から水準器で平行を見ながら順番にビスで留めていきます。
2枚目以降は20㎜程度の木片を挟んで隙間を一定にします。下から上へどんどん留めていきましょう。2点の仮止めで構いません。
どんどん留めていって仮止めで全周留め終わったら、本締めしていきましょう。
どの写真を見ても周りが散らかっているのは気にしないでね。
途中、ボルトや桁、カスガイが干渉してうまく取り付けできない場合があります。
《ボルトが干渉する場合》
ホールソーとカッターでボルトが収まる深さまで穴を開けます。やむを得ない場合もありますが、貫通させない方が見栄えがいいです。
《カスガイが干渉する場合》
桁に打ち付けたカスガイが干渉する場合は、鑿でカスガイの太さ分だけ切り欠いておきましょう。
※子供に落書きされました
《桁が干渉する場合》
桁が干渉して壁板を真っ直ぐに取り付けできない場合は木材を切り欠く必要があります。ノコギリで切り込みを入れて鑿で落とします。
全ての木材を取り付けたら、ビスで本締めしていきます。取付後はこんな感じになりました。2トーンカラーがいい感じですね!
いよいよ完成が近いですよ!
仕上げ塗装
一度、塗装は完了していますが必要な部分を再塗装。またデザイン性向上のためのロゴ塗装も行います。
剥がれや不足部分を追い塗装
柱や梁などで剥がれている部分を再度塗装します。組み立て時にぶつけたり、加工時に割れた部分などです。
ステンシルで自転車マーク等の塗装
ステンシルで「自転車マーク」と「オリジナルロゴ」を作っておいたので、これらを塗装します。
自転車マークと「CYCLE PORT」のロゴを描いて、ラミネートフィルムに重ねてデザインカッターでカットしました。
切り抜いたら塗装面に貼り付けて新聞紙やビニールなどでしっかりと養生してスプレー(白)で塗装します。
そこそこ乾いたら剥がします。ちょっとしたアクセントになっていい感じです。
サイクルポート完成写真
そして遂にこの日を迎えました。完成です。様々な角度からの写真をお楽しみください。
製作に時間がかかった分だけ愛着が湧きますね。これから家族みんなで大事に使っていきます!
まとめ ~本格サイクルポートdiyにかかった費用と時間は?~
3部作となった長編記事を最後までお読みいただきありがとうございました。設計から完成まで4か月程度かかりました。梅雨時期だったので、思うように作業ができなかった日も多かったですね。
まだ未読の方は以下よりどうぞ
完成までに何時間かかったのか?費用はいくらかかったのか?計算してみました。あくまでもざっくり計算ですが以下の通りです。
【製作時間】
・基礎施工 6時間
・構造体、棟上げ16時間
・仕上げ編 30時間
――――――――――
合計:52時間
※買い出しの時間や製図の時間は含んでいません
細かい作業が多く、仕上げに時間がかかりました。特に大変だと感じたのは壁板に使用した野地板の面取り作業や基礎の穴掘り、屋根組み立てのビス打ちなどです。
【製作費用】
・木材 34128円
・金物 2798円
・塗料 5528円
・基礎施工 4560円
・屋根材 9264円
――――――――――
合計:56278円
このサイズのサイクルポートを5万円台で製作できたのは、かなり安い方だと思います。アルミの既製品だと工賃抜きで10万前後しますからね。さらに節約したい場合は間柱をなしにすれば木材代が安く済みますね。
素人DIYにしては費用も体力も必要な壮大な工事でしたが、楽しみつつ新たな技術や知識を増やしながら完成に向かって進んでいく工程は楽しいものでした。そしてこの記事がサイクルポートを作りたい方の役に立てばブロガー冥利に尽きます。
最後までご覧いただきありがとうございました。ブックマーク登録やTwitter等でシェアしていただけると嬉しいです。